こんにちは、尋(たずね)です。
皆さんは映画監督のStanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)をご存知でしょうか。
先日、友人と映画の話をしていて好きな映画監督の話題になった際
私が真っ先に浮かんだのはスタンリー・キューブリックでした。
没後、20年以上経っても彼が生み出した作品は世界中で上映されており
その作品の魅力は色褪せることなく、新しい解釈が生まれ続け
新たな若い世代のファンを増やしている稀有な映画監督だと思います。
そんな私もスタンリー・キューブリックの作品に魅了され続けている一人です。
完璧主義者と知られ、納得いく映像が撮れるまで何百とテイクを重ねるなど
多くの逸話を持つスタンリー・キューブリック。
今回は、スタンリー・キューブリックについてやおすすめの作品について
書いてみたいと思います。
Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)について

出典 https://ja.wikipedia.org/
Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)は
1928年7月26日にニューヨークのマンハッタンで生まれました。
少年時代は、チェスやジャズに興味を持ち、父の手ほどきを受けていたそうです。
チェスの実力はかなりのもので10代後半〜20代の頃、お金を使い果たしてしまったときには
ワシントン・スクエアの賭けチェスで日銭を稼いでいたそうです。
カメラ好きであった父から13歳のときにお古のカメラをもらったことをきっかけに
写真に熱中するようになります。
そして撮影した写真がLOOK誌に掲載され、
17歳でカメラマン見習いとして仕事のオファーを受け、
約5年間、専属フォトグラファーとして同社で働くようになりました。
その後、映画界に転向することを決意し、
1950年にウォルター・カーチアというミドル級ボクサー に密着した初の短編ドキュメンタリー
『Day of the Fight(試合の1日)』を撮り上げ、数本の短編ドキュメンタリーを制作します。
53年に初の長編映画『恐怖と欲望』を完成させましたが、
自身の演技指導力のなさとクオリティに満足できずに自らプリントを買い占め封印してしまいました。
親戚のモリス・バウスのサポートでギャング映画『非情の罠』(1955年)を制作し
その後の『現金に体を張れ』(1956年)で高く評価され、『突撃』(1957年)が成功を収めます。
アンソニー・マン監督に代わり監督を務めた『スパルタカス』(1960年)が
初のカラー長編作品として上映された後、プロデューサー主導によるハリウッドの製作体制に嫌気がさし
英国へ移住し、残りの人生とキャリアの殆どを同国で送っています。
英国に渡った後、『ロリータ』(1662年)を監督し
SF3部作
①『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964年)
②『2001年宇宙の旅』(1968年)
③『時計じかけのオレンジ』(1971年)
を発表します。
この3部作の成功で世界中の映画批評家から鬼才として知られるようになります。
その後、興行的には振いませんでしたが批評家からは高い評価を得た
自然光照明を徹底した歴史劇『バリー・リンドン』(1975年)や
ホラー映画の傑作としてカルト的な人気となったが、
原作を大幅に改変してしまったため
原作者のスティーブン・キングから大きな反感を買った
ジャック・ニコルソン主演のホラー映画『シャイニング』(1980年)
ベトナム戦争を描いた『フルメタル・ジャケット』(1987年)を製作します。
そして当時夫婦だったトム・クルーズ&ニコール・キッドマンを主演に迎えた
『アイズ ワイド シャット』(1999年)の完成直後、公開を待たずして
自宅で心臓発作のため亡くなりました。
ハリウッドの映画産業とは距離を置き
イギリスに移住して自分の作りたい映像作品を生み出すことにこだわり続けた
20世紀を代表する巨匠、スタンリー・キューブリック。
今なお彼の作品が世界中の後世の映画監督に大きな影響を与え、俳優やファンを魅了しています。
スタンリー・キューブリックのおすすめ映画作品
①『2001年宇宙の旅』

出典 www.amazon.co.jp
おすすめ作品1作目は
スタンリー・キューブリック監督と原作者 アーサ・C・クラークによる、
映画史を代表する不朽の傑作SF作品『2001年宇宙の旅』です。
難解な世界観と美しく、スタイリッシュな映像や
感情が読み取れない極端に少ないセリフや固定した長回しのカメラワーク、
『ツァラトゥストラはかく語りき』『美しく青きドナウ』をはじめとするクラシック音楽の使用など
斬新かつ印象的で今見ても全く色褪せない名作です。
この映像が50年以上前に作られたなんて信じられません。。。
まるで未来を予言しているような作品です。
宇宙旅行やAIなどの未来の科学技術を視覚的に表現するだけではなく
人類の未来についても表現している映画だと思います。
アーサー・C・クラークは他の作品でも
『人類の進化の最終到達点は精神のみでつながる生命体になる』という未来を描いていますが、
本作のスター・チャイルドについても同様であると感じました。
人類の祖先(猿人)がモノリスにふれたことによって知性を得て、
数万年の時を経て知性は宇宙への旅を可能とし、
再びモノリスに振れることで人類がさらなる進化を遂げていく。
しかし膨大な宇宙の歴史の中で人類の存在とは、
ほんの1秒にも満たない無の存在でもあるのではないか、
などしばらく考え込んでしまうような作品です。
見た人によって捉え方が違うと思いますので
作品の感想や考察を人と共有するのも楽しいと思います。
② 『時計じかけのオレンジ』

出典 www.amazon.co.jp
2作目のおすすめは『時計じかけのオレンジ』です。
アンソニー・バージェスが1962年に発表した同名の小説を原作として1971年に公開されました。
近未来、毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループのリーダーアレックスは、
ある殺人事件で仲間に裏切られ、ついに投獄させられてしまう。
そこで彼は、攻撃性を絶つ為の『ルドヴィコ療法』の実験台に立たされるが…
といったストーリーです。
若者特有の特殊な造語(ナッドサット語)をはじめ、
暴力、セックス、サイケデリックな美術や衣装、時代を特定させない前衛的かつ退廃的な不思議な世界観etc.
とにかく、強く記憶に焼き付けられる映画です。
ただ単にバイオレンス描写が激しいだけの映画では決してなく、
『意思と行動の矯正』
『人間が潜在的に有している暴力衝動と性衝動、それを管理する全体主義』についてや
ラストの痛烈な社会への風刺など
観る人に問いかけてくるような、考えさせられる映画だと思います。
イギリスでの上映後、映画を模倣にしたと思われる暴力事件が発生した為、
26年間に渡って劇場公開が禁止された曰く付きの映画でもあります。
興味のある方はぜひ、観ていただけばと思います。
この映画は一人で鑑賞するのをおすすめします。。。
余談ですが、UNDERCOVER(アンダーカバー)の2019-20年秋冬メンズコレクションに
『時計じかけのオレンジ』のグラフィックが使用されていました。

出典 https://www.fashion-press.net/
③ 『シャイング』

出典 www.amazon.co.jp
おすすめの3作目は『シャイング』です。
モダンホラーの傑作として名高い、1980年に公開された作品です。
ジャック・ニコルソンの狂気に満ちた演技と
スタンリー・キューブリックによる理知的な演出で観る者すべてを恐怖に陥れる
ホラー映画の金字塔的な作品です。
かつてロンドンの数学者が
①「ショックの度合い」
②「サスペンス」
③「ゴア描写」
などさまざまな項目から『シャイニング』を統計学的にデータを分析したところ、
そのバランスがもっとも適切だったことから『完璧なホラー映画』と結論づけたという逸話もあります。
左右対称のシンメトリーな構図や『ステディカム』による撮影技法などに加え
スタンリー・キューブリックの極限までテイク数を重ねる演出によって
極限にまで追い詰められた役者たちの演技も必見です。
納得のいく演技を撮れるまで、何十回もテイクを繰り返すのは当たり前で
ウェンディー役の女優シェリー・デュヴァルを極限のプレッシャー状況に追い込むため、
キューブリックは何十回とテイクを重ねるだけではなく、
容赦なく怒鳴ったり罵声を浴びせたりしたのは有名な話です。
今やったら確実に問題になりますね。。。
ホラー映画好きなら一度は観るべき名作中の名作です。
まとめ

こつこつ集めているスタンリー・キューブリックグッズです。 ブートのスウェットと当時発売されたピンがお気に入りです。
いかがだったでしょうか。
今回は、スタンリー・キューブリックについて紹介いたしました。
前作と同じものを作らないことを信念として、
常に新しいジャンルで、果敢に挑戦を繰り返してきた彼の映画への情熱を
作品の数々から感じ取ることが出来ます。
家にいることが増えた昨今、スタンリー・キューブリックの作品を楽しむのはいかがでしょうか。
皆さんの心に残る作品がきっと見つかると思います。
今日はこのへんで。
それではまた次の記事で!
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