
出典 https://tower.jp/article/feature_item/2018/08/23/0108
こんにちは、尋(たずね)です。
皆さんはラッパーMac Millerは知っていますでしょうか?
Mac Miller(本名 Malcolm McCormick)は
2010年から2018年に活躍した2010年代を代表するラッパーの一人です。
彼のゆるめのメロウでジャジーなサウンドが好みで、個人的によく聴いていました。
残念ながら、2018年9月7日にサンフェルナンド・バレーの自宅で
薬物によるオーバードーズにより死去しました。
彼の急死から2年が経ち、ずっと欲しかった初期のミックステープ「k.i.d.s」の
オフィシャルレコードが手元にやっと届いたので
彼の生涯や楽曲について紹介してみようと思います。
この記事を読んでくださった方がMac Millerの楽曲に興味をもってくれると嬉しいです。
Mac Miller について

出典 https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/12952
Mac Millerはアメリカ、ピッツバーグ出身のアーティストです。
2000年代後半から自主制作でミックステープを発表し始め、
地元ピッツバーグに拠点を置くインディー・レーベルRostrum Recordsから
デビューアルバム『Blue Slide Park』 を2011年11月にリリースしました。
『Blue Slide Park』はインディー流通ながら
初週に145,000枚を売り上げ、米国ビルボードTOP200で第1位を記録するという
16年ぶりの快挙を成し遂げます。
以降も自主リリースやワーナー・ブラザーズとの契約に移行しながら合計5枚のフルアルバムを発表し
それ以前のミックステープも含めると、8年間で18作品もリリースしています。
しかしその道のりは決して順調ではなく、メディアによる酷評や薬物依存など多くの困難がありました。
①デビューアルバム 『Blue Slide Park』の酷評
デビューアルバムの『Blue Slide Park』は、商業的に大きな結果を残した一方で、
音楽的な評価はメディアで大きく割れました。
ネガティブなレビューも多く、大手アメリカ音楽メディア『Pitchfork』の評価は、
なんと10点満点で1点という採点。そのレビューには厳しい内容が書かれていました。
音楽的な新しさは持ち込まれておらず、視点も同世代のChildish Gambino達ほどユニークではない。
マック・ミラーが支持されているのは音楽性ではなく、彼がファンと同じような存在だからだ。
マック・ミラー同様に、ラップシーンとエンゲージしていない白人男性が彼のファンだ。
本作品で客演ラッパーがひとりもいないのがその証拠だ。
デビューアルバムの酷評はその後のキャリアに延々と付きまとい、彼を苦しめていました。
薬物依存となった原因ときっかけともいわれています。
②薬物依存について
2013年のインタビューでは、
マック・ミラー自身が「酷評が薬物依存の原因になった」と告白し
どんな気持ちだったかを以下のように語っています。
1stのレビューの多くは、人間として俺をこき下ろす内容だった。正直なところマジで最悪だった。
19歳でファーストアルバムを出せてとても興奮していたんだ。
だけど誰もそれをリスペクトしてくれる人がいないんだよ。
しかし、その後の2013年のインタビューでは酷評とドラッグの結びつきを否定しています。
みんな俺がPitchforkのレビューを読んで薬物中毒になったと思っているみたいだけど。
そんな「クソ!だったら薬をやるぞ」って感じじゃないよ。
もっと若い頃からドラッグは自分の人生の一部だったんだ。
ただそれについて語ったことがなかっただけだよ。
上記のように
ドラッグと酷評の結びつきについて本人が最初に語ったにも関わらず、
その後本人によって否定されているというどっちつかずな状態になっています。
しかしメディアの酷評が何かしら彼にショックを与えたことは間違いありません。
2015年の『GO:OD AM』をリリース時には薬物を克服したと語っていましたが、
2018年5月には麻薬服用による運転で逮捕され、同年9月に薬物が原因で帰らぬ人となってしまいました。
マック・ミラーのおすすめ楽曲の紹介
①『The Way 』Ariana Grande ft. Mac Miller
まず1曲目はAriana Grandeの1stアルバム「Yours Truly」からの1stシングルの『The Way 』です。
Mac Millerの曲ではありませんが彼の知名度を大きくあげたきっかけの曲になります。
アリアナ・グランデとマック・ミラーの両者にとって初のトップ10入りシングルとなりました。
この曲は、Big Pun(ビッグ・パン)の『Still Not A Player』をサンプリングしています。
Mac MillerとAriana Grandeの2人は、その後交際に発展します。
2人の関係は2年ほど続きましたが、2018年5月に破局しています。
アリアナ・グランデはその後すぐにコメディアンのPete Davidson(ピート・デヴィッドソン)と
婚約したことにより、そのことが彼の薬物依存を助長し、
オーバードーズを起こし死に至らしめたと誹謗中傷のコメントが相次ぎました。
そのため現在は、Instagramのコメント投稿の受付を中止する措置をとっています。
②『Senior Skip Day』
2曲目は、2010年に発表したミックステープ『K.I.D.S.』に収録されている『Senior Skip Day』です。
軽快なサウンドに乗せるマック・ミラーのラップが最高に気持ちが良いです。
爽やかで朝に聞けるヒップホップですね。
歌詞は「授業はサボって昼までベットでゴロゴロしながらマリファナを吸おう」みたいな感じですが
歌詞の中に
Enjoy the best things in your life
人生、良いことを楽しまないと
“Cause you ain’t gotta get to live it twice
なぜなら2度とそれを繰り返せないから
といったフレーズがあり、前向きで勢いのあるマック・ミラーを感じることができます。
③『Donald Trump』
3曲目は、『Best Day Ever』に収録されている『Donald Trump』です。
なんとドナルド・トランプ・本人から称賛と反感を買った稀な曲です。
ビックになりたい、裕福になりたいという願望を
大統領になる以前のドナルド・トランプ氏の名前を使って表現した曲です。
2016年のインタビューにおいて、なぜドナルド・トランプについての曲を書いたのかと問われた際、
「18歳の視点から見た金銭と成功」が主題であり、
その象徴が当時の自分にとってはトランプであったのだと述懐しています。
当時、ドナルド・トランプはマック・ミラーを〈彼は次なるエミネム〉と褒めつつ
自分の名前を無断で使用したとして〈訴訟問題が何たるかを教えてやるti、恩知らずめ〉とツイートしています。
ちなみに
“Donald Trump”に乗せてドナルド・トランプがラップしているように見えるパロディ・ビデオもあります。
結構格好良くて笑えます。
④『Kool Aid & Frozen Pizza』
4曲目はミックステープ『K.I.D.S.』に収録されている『Kool Aid & Frozen Pizza』です。
個人的に最も好きな曲でサウンド・フロー・歌詞ともに最高に格好良いです。
勢いのあるフローとこれからのし上がってやるといったような勢いを感じる1曲です。
マック・ミラーの魅力が詰まっているのでぜひPVを見てみてください。
This is the motherfuckin K.I.D.S
俺たちはクソッタレなガキたちさ
個人的にはこの頃のマック・ミラーが好きです。
⑤Good News
5曲目はマック・ミラーの死後、
リリースされた最後のアルバム『CIRCLES』に収録されている『Good News』です。
彼の過去のレコーディング音源から作られた曲で
歌詞に、当時の苦悩や葛藤、心の動きが垣間見える部分も見受けられ
聴いていて心が苦しくなります。
美しいシンプルなサウンドに抑揚を抑えたつぶやくようなマック・ミラーの声が特徴的です。
マック・ミラーは自身の思いと裏腹に高まる周りからの期待に疲れてしまったのかもしれません。
死ねば楽になれるかもしれない。 という気持ちを表したような歌詞に思える部分があり
自身の死を予感していたように感じました。
自分が亡くなったニュースで、人々の話題が出来てメディアが騒ぎ立て
自分の訃報を「”Good News”」としたのかなとも思えてしまいます。
There’s a whole lot more for me waitin’ on the other side
あっち側では、もっと多くのことが俺のことを待ち構えてるI’m always wonderin’ if it feel like summer
もしそこが夏みたいな気候だったらって、いつも空想してるんだI know maybe I’m too late, I could make it there some other time
もう遅すぎるかもなんてのは理解してる、いつか行けたらいいなってI’ll finally discover
俺はそこでついに見つけ出すんだThat there’s a whole lot more for me waitin’
そこでは多くのことが俺を迎えてくれる
まとめ
いかがでしょうか。
今回は大好きなアーティスト Mac Millerについて紹介させていただきました。
この記事を読んでくださり、彼の残した素晴らしい楽曲たちに興味を持ってくれると嬉しいです。
好きな曲が多く収録されているLPレコードを2枚、所有していますが私の宝物です。

2020年10月に届きました。手元に届くまで2ヶ月以上かかりました。

2枚組LPで
珍しい透明のレコードになります。最後のアルバムとなってしまいました。
また次回、レコードについても書いてみようと思います。
マック・ミラーのご冥福を心よりお祈りします。
本日はこのへんでおわりにします!
ではまた次回の記事で!
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